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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻6号

1989年05月発行

文献概要

感染症の検査法 Ⅰ 最近話題の感染症病原微生物

[2]抗酸菌

著者: 束村道雄1

所属機関: 1国立療養所中部病院内科

ページ範囲:P.555 - P.558

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臨床上重要な抗酸菌
 臨床上もっとも重要な抗酸菌といえば,それは結核菌(Mycobacterium tuberculosis)であることは,昔も今も変わらない.結核と癩は,先進国以外の地域ではきわめて重要な問題であるが,日本も含めて先進国といわれる国では,結核と癩が減少し,臨床家の関心は,結核菌,癩菌以外の抗酸菌,いわゆる「非定型抗酸菌」(外国ではnontuberculous mycobacteria=非結核性抗酸菌と呼ばれることが多い)の感染症に移ってきた.その理由は,次のごとくであると思われる.
 (1)結核症の発生率は,年々減少しているが,非定型抗酸菌症(不合理な述語ではあるが,わが国の慣用に従ってこの述語を使用する.以下,‘atypical mycobacteria’の頭文字を取って「AM症」と略す)の発生率は,まったく減少の傾向を示さず,むしろ,漸増の傾向さえうかがわれる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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