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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻6号

1989年05月発行

文献概要

感染症の検査法 Ⅱ 感染症各論

[11]眼科領域感染症

著者: 大石正夫1

所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.661 - P.665

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眼感染症と起炎菌
 主な起炎菌とそれによる眼感染症を表1に示した.細菌,ウイルス,Chlamydia,抗酸菌,スピロヘータ,真菌ならびに原虫によって,それぞれ特有の眼感染症が発症する.
 細菌では,Staphylococcus(ブドウ球菌)がもっとも広く原因菌となる.麦粒腫の軽症なものから,眼窩蜂巣炎,全眼球炎(眼内炎)の重篤なものにまで及ぶ.グラム陰性桿菌では,Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)による角膜潰瘍が重要である.ウイルスでは,アデノウィルスによる流行性角結膜炎,ヘルペスウイルスによる角膜ヘルペスが主要な部分を占めている.Chlamydiaでは性行為感染症(STD)に関連した封入体性結膜炎が注目される.真菌は角膜真菌症,真菌性眼内炎など,数は少ないが重篤化する.その他,全身疾患の部分症として,結核,梅毒,原虫による眼感染症もみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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