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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻6号

1989年05月発行

文献概要

感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論 [5]培養法 A 検体別培養法

4)胆汁

著者: 佐久一枝1

所属機関: 1東京都立墨東病院検査科

ページ範囲:P.744 - P.745

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 胆汁の細菌検査は,胆道感染症の原因菌を知るために行われる.胆道感染症としては胆嚢炎,胆管炎,肝膿瘍,胆汁性腹膜炎が挙げられる.
 感染経路は上行性感染(逆行性感染),血行性感染,リンパ行性感染が挙げられるが,多くの場合,以下に記すように上行性感染と考えられている.以前は胆汁には細菌が存在しないと考えられていたが,現在では胆汁の流れの中には細菌がつねに存在していることが知られている.胆汁の流れが通常の場合は細菌感染は起こりにくいが,胆石または胆管癌などが原因で胆汁うっ滞が生ずると,腸管に常在している細菌が十二指腸から総胆管内へ逆行性に胆管または胆嚢へ侵入し,胆汁内で増殖して細菌感染が起こる.胆汁はそれ自体が好適な培地となる.ただし,グラム陽性球菌は増殖を抑えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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