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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻6号

1989年05月発行

文献概要

感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論 [5]培養法 7)特殊微生物

①Leptospira

著者: 森守1

所属機関: 1国立予防衛生研究所体液性免疫部

ページ範囲:P.778 - P.781

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■概 要
 1.Leptospiraとレプトスピラ症1,2)
 Leptospira(レプトスピラ)は,分類上スピロヘータ目レプトスピラ科(Leptospiraceae)Leptospira属に属する,比較的小さなスピロヘータで,細く密なラセンを有し,独特の活発な運動をする.自然界では,ネズミなどの腎臓内に棲み,尿とともに排菌されて淡水中に2〜3週間も生きている病原Leptospira(Leptospirainterrogans)と,常時淡水中に生きている非寄生性のいわゆる水Leptospiraとが存在している.L. interrogansは,180余りの血清型(serovar)に分けられており,これが分類上基本単位である.各血清型は,形態,生化学性状,病理機転が同一で,ほぼ同じ症状を示すが,重症度に差がある.一方,感染防御は原則上,血清型特異的であり,各血清型とその保菌動物との関係も特有の関係を示す場合が多い.
 多くの血清型L. interrogansがヒトに全身性の急性感染症を惹起するが,病型は不顕性感染から重症型まで幅が広い.重症型は,出血,黄疸,腎障害,神経学的症状を示し,中高年層では,致死的経過をたどることもある.わが国では,レプトスピラ症は,水田農民や板前,魚屋さん,清掃工事人などの職業性急性感染症の性格が強い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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