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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻6号

1989年05月発行

文献概要

感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論 [6]同定法 B 種別同定法 1 グラム陰性菌

⑤グラム陰性球菌

著者: 山井志朗1 黒木俊郎1

所属機関: 1神奈川県衛生研究所臨床血清科

ページ範囲:P.814 - P.819

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はじめに
 グラム陰性球菌は,"Bergy's Manual of Systematic Bacteriology"(1984)に記載されているように,従来の各種生物学的諸性状に加え,DNAのGCモル%,ハイブリッド形成による相同性など遺伝学的相似性のほかに,数種の酵素活性や炭酸脱水素酵素の有無などが生物学的特性として重視され整理されている.ここで対象となるのは,好気性グラム陰性の球菌である.温血動物の粘膜に生息し,特にNeisseria gonorrhoeae(淋菌),N. meningitidis(髄膜炎菌)がヒトに対して病原性がある.中でもN. gonorrhoeaeはβ-ラクタマーゼ産生株(PPNG)やスペクトマイシン耐性株が国内外で検出され,問題となっている.
 他のNeissenia属菌種については通常,非病原性として取り扱われているが,病態により通常分離されない検査材料から時々検出されることもある.また最近では,Morexella(Branhamella)catarrhalisも呼吸器系感染症原因菌として注目されており,分離菌の70〜80%がβ-ラクタマーゼを産生するとの報告があり,その起病性とともに今後の話題となろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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