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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻6号

1989年05月発行

文献概要

感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論 [6]同定法 B 種別同定法 2 グラム陽性菌

②Streptococcus(連鎖球菌)

著者: 滝沢金次郎1

所属機関: 1神奈川県衛生研究所細菌病理部

ページ範囲:P.825 - P.829

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 Streptococcus(連鎖球菌)には,ヒトおよび動物に種々の疾患を起こさせる病原性の菌種から,生体の常在菌としてまったく病原性を欠くものまで,多くの種類の菌種が知られている.血液寒天培地における溶血性による分類はStreptococcusの病原性とも関連して,広く用いられてきた.その後,Lancefield1)によって確立された血清学的分類が目覚ましい発展を遂げ,その安定性と,病原性に対し,一定の関連を有することから,これによる分類法が主流となってきた.しかし,Streptococcusの分類は1986年に出版された"Bergey's Manual of Systematic Bacteriology"(Sneath, P. H. A. ed.)2)では,遺伝子レベルの相同性などの分子生物学的手法により改訂・修正された.これによるとグラム陽性球菌のうちMicrococcaceae科,Deinococcaceae科のいずれにも属さない,その他の属としてStreptococcus属(Genus Streptococcus)に含まれている.表1に主なStreptococcus属の分類を示したが,Schleiferら(1987)3)に提唱されているEnterococcus属,Lactococcus属と包括されており,統一性に欠けた面もある.細胞壁の多糖体を抗原としたLancefieledの血清学的分類はよく整理されており,ヒトの感染症から分離される溶血連鎖球菌(hemolytic streptococci)の95%以上は,A,B,C,Gの4群に占められている.これらを考慮して,"Bergey's Manual"(1986)による新しい分類に基づいて,臨床材料から分離される主なStreptococcusの分離・同定法を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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