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感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論 [7]薬剤感受性検査
7 β-ラクタマーゼの検査法
著者: 高橋綾子1
所属機関: 1群馬大学医学部附属病院中央検査部
ページ範囲:P.900 - P.905
文献購入ページに移動近年,新しい化学療法剤が次々と開発されている中で,特にβ-ラクタム剤はその主流をなしている.これらの化学療法剤の使用頻度の上昇とともに,臨床分離細菌叢の変化,薬剤耐性菌の出現などの現象が起こっている.
臨床分離細菌のβ-ラクタム剤耐性機構は,①酵素による薬剤の加水分解,②薬剤の作用点の変化,③薬剤の細菌細胞内透過性の低下などが主なものである.中でも加水分解酵素による耐性機構がもっとも多くみられ,これらの耐性の原因は主にβ-ラクタマーゼによる薬剤の加水分解である.病原細菌のβ-ラクタマーゼ産生をチェックし,その検査結果を臨床医に知らせることは,患者に対し有効なβ-ラクタム剤を迅速に判断するうえにおおいに役だつものである.このような意味において検査室でβ-ラクタマーゼ産生の有無を知る意義があると考える.
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