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文献概要
感染症の検査法 わだい
Mycoplasma,LegionellaのDNAプローブによる迅速診断
著者: 賀来満夫1
所属機関: 1長崎大学医学部第二内科
ページ範囲:P.922 - P.923
文献購入ページに移動近年の分子遺伝学の進歩に伴い,特定性状の支配遺伝子を含むDNAプローブを用いたDNAハイブリダイゼーション法によって病原体を検出,同定しようとする試みが多くなされてきており,M. pneumoniae,Legionellaの検出にも応用されている1〜5).感染症の診断に利用される特異的なDNAプローブは,従来32Pや125Iなどの放射性アイソトープで標識されていることが多く,その処理に特殊な設備が要求されるなど,広く一般には普及していない.しかし近年,フォトビオチン法6)やペルオキシダーゼ・グルタルアルデヒド法7)などの開発により非放射性物質でのDNAの標識が可能となりDNAプローブの使用が容易なものとなってきた.ハイブリダイゼーションに用いる標識DNAプローブは特異的であることが望ましいことはもちろんであるが,特異プローブの開発,作製は容易ではないため,菌体から抽出したDNAのすべてを標識プローブとして用い,ハイブリダイゼーションを行う方法もとられている8,9).
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