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筋腎障害性代謝失調症候群
著者: 釘宮敏定1 高木正剛1
所属機関: 1長崎大心臓血管外科
ページ範囲:P.1018 - P.1018
文献購入ページに移動本症の病態生理は,まず急性の動脈閉塞に伴う阻血のため変性をきたした筋組織からミオグロビン,カリウムなどが血中に流出し,過剰の血清中ミオグロビンが腎臓から排泄される際に尿細管を障害して急性腎不全をきたし,それからさらに種々の代謝性障害へと発展するものと考えられている.MNMS発生の危険性は,一般に閉塞した動脈が大きく阻血領域が広いほど,また発症から血行再建までの期間が長いほど高くなることが知られており,例えば腹部大動脈閉塞で阻血範囲が両下肢全体に及ぶ例や,動脈閉塞発症から長時間経過後に血行再建術を施行した例などに多発している.
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