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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻8号

1989年07月発行

文献概要

検査ファイル 用語

不明熱

著者: 舟田久1

所属機関: 1金沢大学医学部付属病院高密度無菌治療部

ページ範囲:P.1086 - P.1087

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 概念:発熱は疾病存在の基本的徴候であるが,時に診断に有用な症状や所見を欠く発熱もみられる.こうした発熱を不明熱(fever of unknown origin;FUO)と呼ぶ.不明熱と呼ぶ基準として,表1に示す3項目を満足する必要がある.この基準によって,診断にとまどうことのない明確な熱性疾患,比較的短期間に経過する予後良好な急性熱性疾患,特にウイルス感染症,微熱の持続する体質性の高体温症,さらに手術や心筋梗塞のようにその病態から必然的かつ一過性にみられる発熱を除外できる.
 不明熱症例の約1/3が死亡するので精力的な原因追究が肝要である.各種の検査にもかかわらず,診断不明のままに経過する発熱も約10%にみられるが,その予後は良好といわれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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