icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻8号

1989年07月発行

文献概要

トピックス

尿潜血反応とアスコルビン酸の影響

著者: 五十嵐すみ子1

所属機関: 1神奈川県予防医学協会臨床検査部

ページ範囲:P.1099 - P.1100

文献購入ページに移動
 尿中赤血球は腎・尿路系の種々の疾病により出現するため,病院受診者の初診時,各種健診のスクリーニング検査に尿潜血反応が広く用いられている.尿中赤血球の検出には,赤血球のヘモグロビンを試験紙による潜血反応で検出する方法と,尿沈渣中の赤血球を顕微鏡で直接確認する方法が主として用いられている.尿潜血反応はアスコルビン酸や尿中還元物質による干渉を受けやすく,偽陰性を呈することがよく知られている.このアスコルビン酸を主とした尿中還元物質の干渉を少なくした潜血反応試験紙の出現が待たれていたところである.各メーカーは1987年ごろから干渉を受けにくい試験紙の提供をし始めている.
 尿潜血反応用の試験紙が多く用いられるようになったのは1970年ごろである.アスコルビン酸の干渉を受けることが判明していたので,筆者らは学校保健の検尿に際しては,アスコルビン酸の服用,果物,ジュース類の飲用を避けて採尿するように注意している.しかし,降圧剤,抗生剤,感冒薬などの各種薬剤にはアスコルビン酸が含まれているものが多い.病院では患者の採尿に際して服薬を中止することは困難なので,アスコルビン酸の干渉作用を受けて潜血反応が偽陰性になる例が多く,その解決が待たれていたわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら