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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻8号

1989年07月発行

文献概要

けんさ質問箱

尿沈渣の保存法

著者: 中沢武司1 川畑貞美1 Y生

所属機関: 1順天堂大浦安病院検査科

ページ範囲:P.1108 - P.1109

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問 学生実習用に尿沈渣を長期保存をしたいのですが,いい方法をお教えください.(東京都・Y生)
答 尿沈渣成分の概略を,表に示す.大きく分類すると,細胞成分,円柱成分,結晶成分,その他がある.細胞成分や円柱成分などは,病理検体同様,変性や形態変化が速やかに起こる.これは採尿されてから起こるのではなく,膀胱内に出血あるいは剥離した時点から起きる.この変性と形態変化の割合は,一概にはいえないが,一般的に尿のpHがアルカリ側に傾くほど,また浸透圧が低いほど影響を受けやすく,患者の基礎疾患によっても変わる.したがって,尿沈渣の鏡検は採尿後すぐに行うことが絶対条件である.なんらかの理由で尿沈渣を保存したい場合,以下のような方法があるが,定量性がなくなることは念頭に置いておかなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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