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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻9号

1989年08月発行

文献概要

けんさ質問箱

アリルスルファターゼについて

著者: 賀佐伸省1 藤井哲哉1 T生

所属機関: 1北大癌研究施設

ページ範囲:P.1247 - P.1248

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問 アリルスルファターゼの測定法について,その反応原理,手技,測定結果の読みかた(意義)をお教えください.また,この酵素の由来と体内での働きについてもお教えください.(石川県・T生)
答 アリルスルファターゼ(以下,ASと略記する)とは,芳香族硫酸エステル(aryl硫酸)の脱硫酸を触媒する酵素の総称である.ASにはリソゾームマトリックスに存在するAとB,および小胞体膜に結合するCがある.おのおのは酵素学的性状,支配遺伝子,生理基質などがまったく異なる,独立した酵素である.これらの諸性質を表1にまとめた.臨床的にはリソゾーム性のASがよく調べられており,AS-Aと-Bの生理基質はおのおの,異なる糖鎖の末端に結合する硫酸エステルを解離する.それぞれの先天性酵素欠損症から生理基質が明らかになった.ASの詳細については他の総説1)を参照されたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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