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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻1号

1990年01月発行

文献概要

検査データを考える

血清酵素異常—[1]クレアチンキナーゼ(CK)

著者: 高木康1

所属機関: 1昭和大学医学部臨床病理

ページ範囲:P.70 - P.73

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症例1
 54歳,男性.5月31日午後6時頃,前胸部の激しい痛みがあり,頸部に灼熱感を覚えた.胸痛は左上肢にも放散,5分間隔でニトログリセリンを服用したが,痛みが和らぐことがなくしだいに増強したため,救急車で入院した.
 本症例のように急激な胸部痛を訴える患者が来院したときまず医師が考えるのが,心筋梗塞・狭心症であり,解離性大動脈瘤,肺梗塞なども念頭に置く.特に狭心症・心筋梗塞は最近では発症頻度も高く,まず第一に考える必要がある.心筋梗塞の検査診断の最良の手段は心電図であるが,初期の微妙な変化は専門医以外に解読することが難しい症例もあり,心電図に劣らず優れた指標となることが確認された血清酵素による診断が,現在では幅広く用いられるようになってきている.この心筋梗塞の酵素診断の代表となるのがクレアチンキナーゼ(CK)であり,GOT(AST),LDHである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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