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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻10号

1990年09月発行

文献概要

検査ファイル

〈用語〉封入体

著者: 阿倉薫1

所属機関: 1大阪逓信病院第二臨床検査科病理

ページ範囲:P.1322 - P.1323

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 封入体(inclusion body)は,正常細胞ではみられない,比較的大きな円形ないし不整形の構造物である.細胞質にみられる場合を細胞質内封入体(intracytoplasmic inclusion)と呼び,その中でも特徴的な形態を示す場合を小体と呼ぶ.核内にみられる場合を核内封入体(intranuclear inclusion)と呼び,大部分はウイルス感染によって生じる.癌細胞の一部にみられる核内封入体は細胞質が核内に入り込んだ結果生じ,核内細胞質封入体と呼ばれている.それぞれの細胞を細胞質内封入体細胞(intracytoplasmic inclusion-bearing cell;ICIB細胞),核内封入体細胞(intranuclear inclusion-bearing cell;INIB細胞)と呼ぶ(表).
 これらはもともとウイルス学や病理学1,2)で用いられていた用語であるが,近年,細胞診の発達と尿沈渣を超生体染色で観察する機会が増加したため,検査室で注目されるようになってきた.本稿では主に検査室で遭遇する封入体について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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