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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻10号

1990年09月発行

文献概要

トピックス

静脈カテーテル感染

著者: 後藤美江子1 島田馨1

所属機関: 1東京大学医科学研究所感染症研究部

ページ範囲:P.1325 - P.1326

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 近年,各種の輸液または薬剤を経静脈的にカテーテルを挿入して投与する機会が増えるとともに,これに関与する感染が問題となっている.その原因の一つとして,医療設備や技術の向上にもかかわらず,compromised hostや高齢者など易感染者の増加が挙げられる.
 ところで,カテーテルに関連して分離される微生物は1970年代前半にはEnterobacteriaceae(Escherichia coli,Klebsiella pneumoniaeなど),グラム陽性球菌(Staphylococcus aureus,Staphylococcus epidermidis,Enterococcus sp.)が主であった1).1970年代半ばから1980年以降においては,高カロリー輸液のIVHカテーテルの普及や使用される抗菌剤の変遷などにより分離される微生物にも変化が現れ,多剤耐性のStaphylococcus,真菌,ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌(Pseudomonas aeruginosa,Acinetobacter sp,Pseudomonas cepaciaなど)の分離率の増加が目だっている2,3).Staphylococcusの中では多剤耐性のメチシリン耐性ブドウ球菌(methicillin-resistant S. aureus;MRSA)が院内感染として術後患者などに波及し,重篤な予後を呈することが広く報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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