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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻10号

1990年09月発行

文献概要

トピックス

D-グルコース認識細胞のアノマー優位性

著者: 三輪一智1 奥田潤

所属機関: 1名城大学薬学部臨床生化学教室

ページ範囲:P.1327 - P.1328

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 D-グルコ-スは水溶液中では三つの型,すなわち六員環構造であるα-D-グルコ-ス(α-アノマー)とβ-D-グルコ-ス(β-アノマー)および直鎖状構造であるアルデヒド型で存在する.α-アノマーとβ-アノマーはアルデヒド型を介して絶えず相互変換し,平衡状態ではa-アノマー36%,β-アノマー64%,アルデヒド型0.003%となる.血液中でもほぼ同様の割合で存在する.なお,37℃の血液中における両アノマー間の相互変換の半減期は約2.3分である.
 血糖であるD-グルコースは,各種組織のエネルギー源として使われたり,種々の生体構成成分(脂質,アミノ酸,糖質など)の生合成原料として利用されたりする.ところが,ある種の細胞は,D-グルコースをエネルギー源などとして利用するほかに,D-グルコースの濃度に応じて特有の機能を発揮する.それらをD-グルコース認識細胞と呼ぶことにするが,これまで知られている限りでは,D-グルコース認識細胞は,α-あるいはβ-アノマーのどちらかに優位に応答する1)(表).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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