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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻11号

1990年10月発行

文献概要

明日の検査技師に望む

自分自身の技術を磨くことが先決

著者: 佐々木匡秀1

所属機関: 1高知医科大学臨床検査医学教室

ページ範囲:P.1370 - P.1370

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医療費高騰の陰に
 わが国の医療費が,19兆円を突破したのは周知の事実である.
 これに対して,厚生省は医療費抑制の手段の一つとして,臨床検査削減の方針を打ち出した.その煽りを食ったのか,全国に検査技師数削減の風潮が出始めた.事実,小規模な医療施設では,技師を全員解雇して検査を全部検査センターへ鞍替えするところが増え始めてきたのである.このような現象には,優秀な検査技術と迅速な検査を看板とする検査センターの出現が拍車をかけているかもしれないが,それがすべてではないようである.技師を全員解雇したいきさつを詳しく調べてみると,そのほとんどの理由に,技師による臨床検査のサービスがそれほど診療に役立っていなかったことが挙げられる.技師がいいかげんに検査をし,データ管理も不完全で報告値がバラつき,その検査結果を手にした医師が,検査とはこの程度かと誤解したことも見逃せない事実である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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