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Biofilm(バイオフィルム)
著者: 大垣憲隆1 小林宏行1
所属機関: 1杏林大学医学部第1内科
ページ範囲:P.1523 - P.1524
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近年,抗生剤の進歩と相まって,感染症の予後がかなり改善しつつある.しかしながら,一方これらの強力な抗生剤の適用にもかかわらず,治療効果が十分期待できない難治性感染症例も,取り残された問題としてよくみられている.つまり,現在においては治るべき感染症は速やかに治り,難治例はあくまでも難治例であるというように,症例の治療効果が大きく二分されている傾向があるようである.
一般に感染症の難治化要因として,抗生剤に対する菌の感受性低下,感染病巣への抗生剤移行性の低下,および広義の免疫不全など宿主側の防御機能低下などが挙げられている.筆者らは,最近さらにこれら因子に加え,「生体における菌の生息圏」ということも感染症の予後を支配するうえで重要な因子であることを発見し,いわゆるBiofilm diseaseという概念でこれらをとらえている.
近年,抗生剤の進歩と相まって,感染症の予後がかなり改善しつつある.しかしながら,一方これらの強力な抗生剤の適用にもかかわらず,治療効果が十分期待できない難治性感染症例も,取り残された問題としてよくみられている.つまり,現在においては治るべき感染症は速やかに治り,難治例はあくまでも難治例であるというように,症例の治療効果が大きく二分されている傾向があるようである.
一般に感染症の難治化要因として,抗生剤に対する菌の感受性低下,感染病巣への抗生剤移行性の低下,および広義の免疫不全など宿主側の防御機能低下などが挙げられている.筆者らは,最近さらにこれら因子に加え,「生体における菌の生息圏」ということも感染症の予後を支配するうえで重要な因子であることを発見し,いわゆるBiofilm diseaseという概念でこれらをとらえている.
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