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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻13号

1990年12月発行

文献概要

明日の検査技師に望む

三つの独立と三つの従属

著者: 上田國寛1

所属機関: 1京都大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.1591 - P.1591

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 今日の医療に占める臨床検査の役割はますます大きくなり,検査に絡む医療費は優に一診療科の枠を超えている.その重要性と貢献度を検査技師諸君が謙虚にも,あるいは迂闊にも過小評価しているように私には思えてならない.臨床検査はもはやパラメディカルではなく,コメディカルであり,時にはほとんどメディカルそのものである.例を細菌感染症にとれば,起炎菌を知らずして医師の与える抗生物質は所詮盲射ちであり,一方,薬剤感受性検査の結果は,医師の投与すべき抗生物質をほぼ決定してしまう.しかし,ルーチンのみこなしておれば(私はこの言葉が嫌いである)大したものだと考えるのも間違いである.患者と病態は千差万別であり,医学が知らない,あるいは医療の手がつけられない領域はまだ無限にある.よりよい医療を目差す戦士の一人として,常に新しい可能性を追求してほしいと思う.以下,私の描く「明日の検査技師」像への具体的処方を述べてみよう.
 私の処方は,少々誤解される危険を覚悟の上で標語風にまとめると,「三つの独立と三つの従属」ということになる.すなわち,①医師からの独立 ②キットからの独立 ③ルーチンからの独立 ④患者への従属 ⑤必要性への従属 ⑥不可解への従属である.以下,順に,私の意図するところを説明する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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