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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻13号

1990年12月発行

文献概要

トピックス

感染性医療廃棄物—最近の話題

著者: 松岡瑛1 住勝実2 三村幸一2

所属機関: 1兵庫医科大学臨床病理学教室 2兵庫医科大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.1623 - P.1624

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 医療活動に伴って発生する廃棄物の中で,感染の危険をはらむ“ゴミ”が最近とみに注目され,その適正処理方法が医療界の大きな課題となってきた.その背景には,肝炎ウイルスの輸血後感染,医療従事者のB型肝炎感染事故などについての世論の高まり,さらには1981年米国で初めて報告されたAIDS(HIV)ウイルスに対する恐怖感など,微生物への認識が社会一般に深まったことがあるが,一方,診療行為,検査などが長足の進歩を遂げてきた陰で,それに伴って排出されるゴミの質は使い捨て(disposable)化され,かつ極めて多量の廃棄物となってきたために,血液,体液などが付着したまま医療関係機関の外へ排出される実情がある1,2)
 元来,医療関係機関から病原微生物が外部へ排出されてはならないのが原則であり,従前の医療では厳格にこれが守られていたが,医療行為,検査などの高度化とともに医療関係機関内で多種多様な医療用器材が使われ,それをリサイクルすることも少なくなくなり,皮肉にも医療の進歩が病原微生物に汚染されたゴミを医療関係機関外に持ち出す結果となっている.したがって,医師,看護婦,検査技師ら医療従事者は,日常業務の中で感染性廃棄物について注意と関心を払い,社会生活環境の安全を確保しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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