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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻13号

1990年12月発行

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トピックス

心室遅延電位の体表面分布

著者: 鈴木正之1

所属機関: 1津島市民病院内科

ページ範囲:P.1626 - P.1627

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 心室遅延電位(LP)はQRS波を超えてST部分にまで持続する心室筋由来の低電位波(fragmentation)の体表面心電図への反映である.LPが心室頻拍を合併した心筋梗塞の症例に高率に検出されることがわかって以来,心筋梗塞において重症心室性不整脈および左心機能不全とLPとが密接に関連すること,また最近では突然死,心臓死などの予後をある程度予測しうることがわかってきた.
 これらの検討においてはLPを検出する方法として,Simsonが開発したベクトルマグニチュード法1)が主として使用されてきた,これはX,Y,Z 3軸双極誘導から求めたベクトルマグニチュードを帯域濾波した波形(filtered QRS)から判定する方法である.3方向の信号をまとめることから心臓のさまざまな方向性を持った信号を捕えるのには優れた方法であると思われるが,信号がある方向だけにある場合や,ある局所でのみfragmentationがあるときにはかえって相殺される可能性が考えられる.またfragmentationがどの部位から生じているのかを判定することはベクトルマグニチュード法のみでは不十分である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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