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心臓におけるシネMR法の利用
著者: 西村恒彦1
所属機関: 1国立循環器病センター放射線診療部
ページ範囲:P.1628 - P.1628
文献購入ページに移動 心臓領域における磁気共鳴画像(MRI)診断は心電図同期スピンエコー法により造影剤を用いずに心内腔と心筋壁が明瞭に区別して描出できること,X線CTや心エコー図と同様に優れた空間分解能を有することから臨床的に汎用されつつある.これに加え,高速イメージング技術の開発により心収縮,拡張に伴う心内腔の血流動態が観察できるシネMR法により心機能の動態計測が可能になってきた.
心内腔の動態計測は,十数年前までは心室内にカテーテルを挿入し,造影剤を注入することにより行われていた.この方法は左室造影法として今も用いられているが,その後,非侵襲的にはラジオアイソトープを用いた心プールシンチグラフィや心エコー図法により行われていた.前者は放射線被曝や空間分解能の劣化,後者はリアルタイムであるが再現性が劣るなどの欠点がある.これに比べ,シネMR法は,左室造影法に匹敵する鮮明な心動態画像が造影剤を用いることなく得られる画期的なものである.少なからず,現行の心プールシンチグラフィや心エコー図にインパクトを与えることが予測され,またMRIの有する断層の自在性から詳細な心動態の計測も可能になるであろう.
心内腔の動態計測は,十数年前までは心室内にカテーテルを挿入し,造影剤を注入することにより行われていた.この方法は左室造影法として今も用いられているが,その後,非侵襲的にはラジオアイソトープを用いた心プールシンチグラフィや心エコー図法により行われていた.前者は放射線被曝や空間分解能の劣化,後者はリアルタイムであるが再現性が劣るなどの欠点がある.これに比べ,シネMR法は,左室造影法に匹敵する鮮明な心動態画像が造影剤を用いることなく得られる画期的なものである.少なからず,現行の心プールシンチグラフィや心エコー図にインパクトを与えることが予測され,またMRIの有する断層の自在性から詳細な心動態の計測も可能になるであろう.
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