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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻2号

1990年02月発行

文献概要

トピックス

ユーイング肉腫の組織起源

著者: 牛込新一郎1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第一病理学教室

ページ範囲:P.181 - P.182

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 ユーイング肉腫はよく知られた骨腫瘍である.まれなせいもあるが,有名の割にはなじみの少ない腫瘍ではなかろうか.
 J. Ewingが1921年に記載して以来,実に70年近く経過している.その間,組織起源について幾多の研究報告がなされたにもかかわらず,いまだに完全には理解されるに至っていない.実は,初めはdiffuse endothelioma of boneという名称で報告されたように骨髄の内皮細胞性の腫瘍(ことに,血管周囲のリンパ管内皮細胞)とされたが,もとより確たる証拠が示されたわけではなかった.その後,枚挙にいとまがないほどの説がある.いくつかを挙げてみると,内皮細胞のほか,細網内皮細胞,骨髄腫,リンパ芽球,未分化間葉細胞,軟骨細胞,血管周囲細胞,平滑筋細胞などさまざまである.神経芽細胞腫の骨髄転移とする考えかたもあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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