icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻3号

1990年03月発行

文献概要

けんさアラカルト

検査過誤を減らすために

著者: 前川芳明1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部

ページ範囲:P.208 - P.208

文献購入ページに移動
質のよい検査データ
 日常,私たちが品物を選ぶ場合,それが“安くて品質のよいもの”であることを一つの判断の目安とするが,患者が質のよい検査データ(を出す所)を選ぶことはなかなか難しいし,直接選ぶ手段を持たない.質のよい検査データとは,報告値が患者本人の真の状態を正しく反映していることであろう.私たちが毎日の精度管理を行っているのも,このためにほかならない.
 患者の真の状態を誤らせる原因の一つは,系統誤差,いわゆる精度管理された状態においてもなお存在する誤差であり,これはある程度察知可能な誤差である.しかし,これ以外にも予測不可能(偶発的)な誤差がある1).例えば,検体の受け付け時に検体番号を貼り間違ったために別の患者のデータを報告してしまった場合,前回値との比較を行えば発見できるが個々の分析者では発見が難しい.また輸液を行っているときに同じ腕から採血を行った場合,電解質のデータが異常に高値に出る.この場合は,検査室だけで気をつけていても発見できないことがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら