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文献概要
技術講座 生化学
ICP発光分析法による血清重金属の同時測定法
著者: 佐々木朝照1
所属機関: 1日本大学医学部化学教室
ページ範囲:P.219 - P.224
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血清中の金属の動態は栄養学的にも生化学的な面からも注目されており,単一元素のみならず複数の元素のバランスを総合的に評価する必要性から,多くの元素について簡便,高感度な多元素同時分析法が期待されている.その中でも装置や測定の簡便性,分析精度の点から,ICP発光分析法が最も利用しやすい.本稿では,ICP発光分析に内部標準同時測光法を用いて精度よく多成分同時分析を行う方法について概説した.ここで紹介した直接希釈法は,灰化などの特別な前処理操作をしないで迅速に精度の高い分析が行える利点がある.生理的濃度範囲の血清中で確実に測定できる元素は9元素と制限されるが,本法は臨床的にも血清中多元素をルーチンに分析するのに有効な方法である.
血清中の金属の動態は栄養学的にも生化学的な面からも注目されており,単一元素のみならず複数の元素のバランスを総合的に評価する必要性から,多くの元素について簡便,高感度な多元素同時分析法が期待されている.その中でも装置や測定の簡便性,分析精度の点から,ICP発光分析法が最も利用しやすい.本稿では,ICP発光分析に内部標準同時測光法を用いて精度よく多成分同時分析を行う方法について概説した.ここで紹介した直接希釈法は,灰化などの特別な前処理操作をしないで迅速に精度の高い分析が行える利点がある.生理的濃度範囲の血清中で確実に測定できる元素は9元素と制限されるが,本法は臨床的にも血清中多元素をルーチンに分析するのに有効な方法である.
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