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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻3号

1990年03月発行

文献概要

検査ファイル

〈用語〉癌遺伝子

著者: 笹栗靖之1

所属機関: 1久留米大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.246 - P.248

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[1]細胞周期と培養細胞
 成人の体の細胞は,まったく分裂しないもの,常に分裂・増殖を繰り返しているもの,刺激(例えば創傷)に応じて分裂・増殖を始めるものがある.増殖能のある細胞は,in vitroで培養,継代が可能である.増殖している細胞は,G1期(蛋白合成期)→S期(DNA合成期)→G2期→M期(細胞分裂期)→G1期と周期を繰り返している.正常細胞の培養には,通常,ウシ胎児血清が不可欠であり,この血清の添加を省くと,細胞は静止期(G0期)に入るか,死滅する.G0期の細胞は,血清の添加により,再びG1期に入り,周期を回り出す.しかし,血清の添加を続けても,正常細胞は,約40代ほどで分裂,増殖を停止する.反面,癌細胞は,永久的に分裂を繰り返し継代培養することができる.これらの事実から,次の疑問が生じた.
 1)細胞周期を調節している機構(蛋白とその働き)はどのようなものか.2)ウシ胎児血清内に存在する増殖因子は何か.3)正常細胞と異なり永久的に増殖できる癌細胞のメカニズムについて.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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