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検査データを考える
血清酵素異常—[3]ALT(GPT)を中心に
著者: 古賀震1 岡嶋研二2 宇治義則2 岡部紘明2
所属機関: 1熊本大学医学部第二内科 2熊本大学医学部臨床検査医学教室
ページ範囲:P.253 - P.256
文献購入ページに移動15歳,男性.既往歴,家族歴ともに特記事項なし.約2週間前から37〜38℃の発熱,頭痛,咽頭痛が続き,近医を受診し感冒として抗生物質の投与を受けたが,解熱せず,1週間前から頸部のリンパ節の腫大に気がついた.皮膚の発疹は認められなかった.来院時の肝機能検査でALP,GOT,GPT,LDHなどが高値を示したため,肝炎を疑われて入院となった.
入院時所見:身長165cm,体重55kg,血圧110/60mmHg,脈拍数72/分(整),体温37.6℃,体格・栄養ともに良好.結膜に貧血,黄疸認めず.また舌,咽頭ともにやや発赤しているが,白斑や口内炎も認めない.リンパ節は,頸部,腋窩部,鼠径部に両側性に小指頭大〜母指頭大の硬い腫瘤として触知し,頸部は特に症状が強く,圧痛を伴っていた.胸部は聴打診上異常なく,腹部において,肝,脾をそれぞれ1/2横指触知した.また神経学的には異常所見は認められなかった.
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