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Verocytotoxin産生性大腸菌
著者: 甲斐明美1
所属機関: 1東京都立衛生研究所微生物部
ページ範囲:P.257 - P.258
文献購入ページに移動 ヒトの下痢症の原因となる腸管病原性大腸菌は現在,①病原血清型大腸菌(EPEC),②組織侵入性大腸菌(EIEC),③毒素原性大腸菌(ETEC),④腸管出血性大腸菌(EHEC)あるいはVerocytotoxin産生性大腸菌(VTEC)の4種に分類される1).この腸管病原性大腸菌の一つであるVerocytotoxin産生性大腸菌は,1977年にKonowalchukによって報告された2)のが最初であるが,当時は腸管病原性大腸菌として多くの研究者の支持が得られるまでには至らなかった.本菌が再認識されるようになったのは,1982年にアメリカ,カナダでハンバーガーを原因食品として発生した集団下痢症事件の原因が大腸菌0157:H7によるものであること,そして,この菌がVero細胞毒素(VT)を産生することが確認されて以降のことである3).
この大腸菌0157:H7は,その典型的病像が血便と腹痛を伴う出血性大腸炎であることから,腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic E.coli;EHEC)と呼ばれ,当初は特にVTECとの関連は示唆されていなかった.
この大腸菌0157:H7は,その典型的病像が血便と腹痛を伴う出血性大腸炎であることから,腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic E.coli;EHEC)と呼ばれ,当初は特にVTECとの関連は示唆されていなかった.
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