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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻4号

1990年04月発行

文献概要

技術講座 生化学

β2-マイクログロブリンの測定

著者: 眞重文子1 大久保昭行2

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部 2東京大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.334 - P.340

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サマリー
 β2-マイクログロブリン(β2M)は,分子量11,800 Daの,糖を含まない単鎖のポリペプチドで,主要組織適合抗原のクラスI蛋白質の構成成分である.リンパ球をはじめ体内のほとんどの有核細胞で合成され,血液,髄液,尿などの各種の体液に微量に存在する.β2Mは腎糸球体で容易に濾過された後,近位尿細管で再吸収され異化される.尿中のβ2Mは,尿細管に障害があると尿中に多量に排泄される.血清β2Mは食事や筋肉量などの影響を受けないためGFRのよい指標となる.しかし,腎疾患のほかに,悪性腫瘍,自己免疫疾患などでも上昇する.近年,β2Mの生体内での役割が解明されるにつれて,β2Mの測定はますます重要になっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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