icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻4号

1990年04月発行

検査ファイル

〈項目〉血中・尿中トロンボモジュリン

著者: 田原千枝子1

所属機関: 1帝京大学医学部第一内科

ページ範囲:P.380 - P.381

文献概要

 トロンボモジュリンは血管内皮の細胞膜を構成する糖蛋白で,血管が持つ強い抗血栓作用の一面を担う物質として,最近注目を浴びている.
 トロンボモジュリンはトロンビンと高い親和性を持ち,両者は1対1の複合体を形成するが,トロンボモジュリンと結合したトロンビンはフィブリノゲンに対する凝固活性を失うと同時に,ビタミンK依存性凝固因子であるプロテインCを活性化するようになる.トロンビンは単独でもプロテインCを活性化するが,トロンボモジュリンと複合体を形成したトロンビンは2,000倍も強いプロテインC活性化作用を表すようになる.活性化プロテインCは活性化凝固第V,第VIII因子を分解して失活化させ,凝固系のインヒビターとみなされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら