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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻4号

1990年04月発行

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トピックス

血小板由来成長因子(PDGF)

著者: 相馬良直1

所属機関: 1東大医学部皮膚科

ページ範囲:P.398 - P.399

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 血小板由来成長因子(PDGF;platelet-derived growth factor)は線維芽細胞,平滑筋細胞,グリア細胞など間葉系の細胞に対し,強い活性を持つ細胞成長因子である.その名のとおり血小板中に大量に存在し,血小板凝集に伴い放出される.したがって,血小板凝集を伴うような生理的・病理的現象において重要な役割を果たしていると考えられている.
 血小板中にはPDGFのほかにさまざまな生理活性物質が存在するが,PDGFはその総称ではなく単一の分子種である.その主な生物学的作用は,細胞増殖刺激活性と正の走化性活性である.線維芽細胞はPDGFの存在下で増殖が刺激される一方,PDGFが高濃度に存在する方向に向けて遊走する.これらの活性が発揮されるためには数ng/mlの濃度で十分であり,極めて強力な細胞成長因子である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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