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文献概要
検査法の基礎
血液pH/血液ガス用標準物質
著者: 徳川竜治1 桑克彦2 梅本雅夫1
所属機関: 1(財)化学品検査協会 2筑波大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.425 - P.429
文献購入ページに移動血液pH/血液ガス分析は臨床上重要な項目であるが,その測定値の正確さについてはほとんど把握されていない.また,精度管理には通常,メーカーの指定する水溶液を用いて,装置の作動状態の確認が行われるにすぎないのが現状である.電極法によるpH/Pco2/Po2の測定では,電極の特性上,測定試料のマトリックスの影響を大きく受けるため,実試料に近い性質を有した標準物質が正確さの評価に必要である.
pH/血液ガスの正確さの基準には,pHは一次pH標準液が,Pco2,Po2は標準ガスがそれぞれ設定されており,これらは個々に公的機関によって維持・保証されている.しかし,これらの基準は実試料が持つようなマトリックス効果がないので,その正確さを実試料系の物質に移行させて実試料の測定のための基準を確保する必要がある.この基準を用いることによって測定値の正確さは確保され,さらには機器間差や施設間差の是正も可能となる.
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