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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 2 涙液

A.総論

著者: 白井久行1 北澤克明2

所属機関: 1名古屋徳洲会病院眼科 2岐阜大学医学部眼科

ページ範囲:P.553 - P.554

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涙液とは
 涙液は,結膜嚢に存在する液であり,主に主涙腺および副涙腺の分泌液から成るが,これに,結膜杯細胞,マイボーム腺,ツァイス腺およびモル腺などの分泌液が加わり,さらに結膜・角膜上皮や血液から遊出した細胞成分などが含まれている.主涙腺は眼窩上壁の前外方にある涙腺窩に存在し,上円蓋耳側部にその開口部がある.副涙腺には,クラウゼ腺,ウオルフリング腺があり,それぞれ結膜円蓋部,眼瞼結膜に開口している.
 正常時に結膜嚢に存在する涙液は,副涙腺,結膜杯細胞およびマイボーム腺からの分泌液であり,基礎的(生理的)分泌と呼ばれる。三叉神経や視神経への外界刺激や精神的な刺激が加わったときには,主涙腺からの分泌が行われ,反射性分泌と呼ばれる.涙腺分泌は,涙腺神経,交感神経および副交感神経の支配を受けていると考えられているが,その分泌機構については不明な点が多い.過剰の涙液は,瞬目運動により,涙道を介して鼻腔へ排出される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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