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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 8 胆汁

E.細胞診

著者: 川地素崇1

所属機関: 1中野共立病院検査室

ページ範囲:P.636 - P.638

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はじめに
 胆道,膵,十二指腸の癌は,わが国では1933年に加瀬により十二指腸液により初めて検出され報告された.その後,少数報告も見られたが,検出率は低く普及されず,採取法の改良・開発を待たねばならなかった.今日では表10のように胆汁細胞診の採取法が考えられている.
 胆汁において悪性腫瘍の対象となる臓器は肝,胆道,膵,胆嚢および十二指腸の各《がん》であるが,胆汁細胞診を行うには胆汁がどこに存在するかを知らなくてはならない.胆汁は肝内胆管,総肝管,胆嚢管,胆嚢,総胆管およびVater乳頭部周辺にみられる.それゆえ各部位からの胆汁採取法が考えられる.しかし,臨床的には黄疸の有無により各検査法が選択され,胆汁が採取される.胆汁細胞診は病理組織検査の困難な部位における《がん》の診断あるいは組織型の推定という利点を持っている.しかし,①細胞採取が内視鏡のように可視的ではなく,不安定である,②細胞変性が強く判定が困難である,③早期癌の発見のためではない,といった面も持ち併せている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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