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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 9 膵液

B.一般検査

著者: 竹田喜信1

所属機関: 1大阪医科大学第二内科

ページ範囲:P.643 - P.649

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一般的性状
 膵液は水および高濃度のHCO3-濃度を含むアルカリ性の電解質成分と大部分が酵素蛋白(約90%)で占める蛋白成分とから成っている.HCO3-濃度の分泌は胃からの酸性内容物のpHを調節して十二指腸内でアルカリ性に保ち,各種の膵消化酵素の至適pHに導く.外見上,水様で無色透明の液であるが,粘液を少量含むため,わずかに粘稠性をもち,比重は1.007〜1.042の範囲にある.pHはHCO3-濃度が最大濃度の150mEq/lまで達すると約8.6になるが,膵液の分泌量によってpH8.0〜8.6の範囲内で変動する.
 膵液中の電解質は陰イオンと陽イオンによって構成され,陰イオンの主なものはHCO3-とCl-であり,分泌膵液中のHCO3-濃度は血漿中の濃度よりも明らかに高い.そのほか,ごく少量のHPO42-,SO42-も含まれている.陽イオンの大部分を占めるのがNaとKであり,両者の濃度は血漿中の濃度にほぼ近い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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