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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

増刊号 血液・尿以外の体液検査法

10 前立腺液

A.総論

著者: 町田豊平1 池本庸2

所属機関: 1東京慈恵医科大学泌尿器科 2東京慈恵医科大学泌尿器科教室

ページ範囲:P.659 - P.661

文献概要

はじめに
 前立腺は,男子の膀胱頸部から尿道膜様部にかけて尿道を輪状に取り巻いている,栗実状をなした分泌臓器である.組織学的にはおよそ30〜50個の管胞状腺と,これを包む結合織および筋組織からできている.腺の排泄管は後部尿道の精阜付近に求心性に集まり,ここから前立腺部尿道精阜に開口する1).これらの分泌液が前立腺液である.
 前立腺液の分泌はほとんど射精に伴って起こり,射精の前半部分,すなわち分画射精の第1分画に前立腺液が含まれている.射精液の約3割は前立腺液であるが,残り7割のほとんどは精嚢腺由来である.また前立腺液は前立腺マッサージででも直接得られる.したがって,前立腺液は精液でも分析可能であるが,マッサージによって前立腺液のみが採取できれば,前立腺固有の疾患を診断するのに役立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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