文献詳細
増刊号 血液・尿以外の体液検査法
16 心嚢液
文献概要
はじめに
心臓は,心外膜と心嚢とに包まれ,その心膜腔には,通常15〜20mlの心嚢液と呼ばれる漿液性の液体が存在しており,心膜の摩擦緩和や,炎症に対する防御機能を営んでいる.心膜や心筋に病原微生物が感染した場合,心嚢液の貯留や心膜の繊維化などの病変をきたすとともに,うっ血性心不全や冠状動脈の血流障害による心筋梗塞などを合併することもある.
心嚢液の貯留異常をきたす主な疾患としては,急性心膜炎などがあるが,その病因は表4に示すように,種々存在する.今回,これらの疾患の中で病因が感染に起因するものを中心に,その検査法について述べる.
心臓は,心外膜と心嚢とに包まれ,その心膜腔には,通常15〜20mlの心嚢液と呼ばれる漿液性の液体が存在しており,心膜の摩擦緩和や,炎症に対する防御機能を営んでいる.心膜や心筋に病原微生物が感染した場合,心嚢液の貯留や心膜の繊維化などの病変をきたすとともに,うっ血性心不全や冠状動脈の血流障害による心筋梗塞などを合併することもある.
心嚢液の貯留異常をきたす主な疾患としては,急性心膜炎などがあるが,その病因は表4に示すように,種々存在する.今回,これらの疾患の中で病因が感染に起因するものを中心に,その検査法について述べる.
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