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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 17 血腫内容液

E.細胞診

著者: 平田哲士1

所属機関: 1がんセンター臨床検査部

ページ範囲:P.778 - P.779

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はじめに
 血液中の全成分が,心臓または血管腔から器官の管腔,体腔,組織,体外などへ出ることを出血(bleedinghemorrhage)という.出血はさまざまな観点から,つまり出血した原因,血管,部位,量などによって特別な名称で呼ばれている.
 出血と血腫は同じ意味で使われたり,貯留した血液をすべて血腫と呼んだり,凝固した血液だけを血腫と呼び出血と区別することもある.また腔や嚢状の部位に血液が貯留した場合は血瘤(hematocele),留血腫,血洞,血嚢腫と呼んで,血腫と区別したり,血腫や出血と同じ意味で使われたりすることもある.例えば真皮なしい皮下組織内の出血によって生じる皮疹を紫斑(1〜5mm程度のものを点状出血,より大きいものを斑状出血)といい,血液が貯留するものを皮下血腫(ecchymoma)という.陰嚢鞘膜腔内の血液貯留を陰嚢血瘤,鞘膜腔外のものを陰嚢血腫といったり,両者とも血腫ということもある.頭蓋内では硬膜下腔でも脳実質内でも,貯留した血液が凝固すれば血腫といい,体腔内でも凝固したものを血腫,血瘤などといい,いずれも出血と同じ意味に使われることもある(表4).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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