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増刊号 血液・尿以外の体液検査法 19 尿道分泌液
A.総論
著者: 清水保夫1
所属機関: 1健和会大手町病院
ページ範囲:P.793 - P.795
文献購入ページに移動はじめに
尿道や口腔,結膜嚢,下部消化管,女性外性器などの生体と外界との接点では,常在菌叢が形成され,これらの細菌の節度を保った増殖により,外界から新たな病原菌が侵入することを阻止すると考えられている.加えて,尿道では排尿による洗浄が繰り返されるので,常在菌の過剰な増殖が抑制を受けてバリアーとしての任を全うする.それゆえ,臨床材料は常に常在菌による汚染が生じやすいので,健常者の尿道擦過検体や尿からもかなり大量の細菌が検出されることがある.さらに,男性の尿道は精路としての役割も担っていること,女性では外性器や肛門に近接することなどから,隣接臓器からの分泌物や汚染物が混入しやすいので,検体の採取や所見の評価に際しては,これらのことを十分に理解して対処するべきである.ことに,非淋菌性尿道炎や尿道症候群は,常在性の弱毒菌や細菌以外の微生物も関与するので,特に意を払う必要がある.
尿道や口腔,結膜嚢,下部消化管,女性外性器などの生体と外界との接点では,常在菌叢が形成され,これらの細菌の節度を保った増殖により,外界から新たな病原菌が侵入することを阻止すると考えられている.加えて,尿道では排尿による洗浄が繰り返されるので,常在菌の過剰な増殖が抑制を受けてバリアーとしての任を全うする.それゆえ,臨床材料は常に常在菌による汚染が生じやすいので,健常者の尿道擦過検体や尿からもかなり大量の細菌が検出されることがある.さらに,男性の尿道は精路としての役割も担っていること,女性では外性器や肛門に近接することなどから,隣接臓器からの分泌物や汚染物が混入しやすいので,検体の採取や所見の評価に際しては,これらのことを十分に理解して対処するべきである.ことに,非淋菌性尿道炎や尿道症候群は,常在性の弱毒菌や細菌以外の微生物も関与するので,特に意を払う必要がある.
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