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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 19 尿道分泌液

E.細胞診

著者: 平田哲士1

所属機関: 1がんセンター臨床検査部

ページ範囲:P.801 - P.802

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はじめに
 尿道分泌物は生理的には性的興奮時に増加するが,外尿道口に分泌されることはまずない.分泌物のほとんどが粘液であり,その中には少数の上皮細胞とごく少数の白血球が認められる.下着を汚すほどの分泌増加は尿道の病的状態と考えられ,その多くは,性感染症(sexually transmitted disease;STD)としての尿道炎であり,病原微生物の同定・検出が重要である.
 尿道炎を惹起する可能性のある微生物は,一般細菌からウイルス,マイコプラズマ,クラミジア,真菌,原虫と広範囲で,それぞれの培養法や検出法は特殊であり,すべての微生物を対象として同時に検査することは困難である.一般に尿道分泌物が認められる場合,まずGiemsa染色,Gram染色などで白血球数と細菌の有無を確認するが,このとき細胞診を行うことによりウイルス感染細胞,トリコモナス,カンジダなども迅速にしかも比較的簡単に推定できる場合がある.したがって,尿道炎の広範囲にわたる病原微生物を効率よく培養,検出するためのスクリーニングとして細胞診は有用であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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