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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 20 鼻汁

E.細胞診

著者: 関口桂子1 石原力1 城下尚1

所属機関: 1群馬大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.812 - P.815

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検査と意義
 鼻汁細胞診は患者への負担が少なく,材料の採取が簡単であるにもかかわらず,あまり普及されていない.これは,鼻腔内の病変部から比較的容易に生検組織や擦過材料を採取できるので,鼻腔の悪性腫瘍に対しての鼻汁の細胞診断的意義が低いことによると考えられる.肺癌に対して喀痰細胞診が有用であり,ことに中心型肺癌の早期発見に極めて効果的な検査であることに比べると,鼻汁細胞診の重要性は比較にならないほど低いのが現状である.またアレルギー性鼻炎における細胞学的検査も重要であるが,不可欠というほどのものではない.
 一方,呼吸器系細胞診で一般的な喀痰細胞診には,唾液性検体不良のほかに,いまだ十分に知られていないが鼻汁性検体不良が含まれており,これらの不良検体をなくすことは肺癌の発見率の向上のために不可欠である.その意味では鼻汁の細胞診に精通し,鼻汁性偽喀痰をチェックし,これを排除することは,喀痰細胞診を検鏡するうえで極めて意義が高いことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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