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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 21 腟・頸管分泌液

B.一般検査

著者: 牧野恒久1 斉藤優1 飯塚理八1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.820 - P.821

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一般性状
 1.腟分泌液
 腟分泌液は通常,白色で,外観は擬乳様であるが,さまざまな条件によってむしろ漿液性に近かったり,より軟膏状に近かったりする.量は,子宮が存在する場合で1.89±0.12g/日,子宮がない場合で1.56±0.05g/日であり,分泌物の量と性状は,エストロゲンとプロゲステロンの量に関連する.特に排卵直前のエストロゲン増加に伴う子宮頸管粘液の著しい増量に伴って,この時期の腟分泌液は,無色透明もしくはやや黄色調で量が多い場合が多い.
 帯下感や陰部掻痒感などの症状があり,腟分泌液が白色泡沫状のものはTrichomonas(トリコモナス),白色滓状のものはCandida(カンジタ)の感染を疑わせる.特に抗生剤の投与を受けた後発症した場合やセックスパートナーに感染があった場合にはより疑われる.もちろん確診には,鏡検によるトリコモナス虫体や仮性菌糸の確認,培養などが必要である.膿性帯下や黄色調帯下を認める場合,Neisseria gonorrhoeae(淋菌)やその他の化膿菌による腟炎が疑われる.悪臭のある帯下では,嫌気性菌が疑われ,悪性腫瘍や子宮体内膜炎のことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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