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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 21 腟・頸管分泌液

D.微生物学的検査

著者: 山博1

所属機関: 1星ヶ丘厚生年金病院検査部

ページ範囲:P.823 - P.826

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常在菌
 腟の常在菌は,卵巣機能,腟上皮細胞のグリコーゲン量と密接な関係があり,一度に完成するものではない.誕生数時間後には,Staphylococcus属菌,Enterococcus属菌,Corynebacterium属菌,Lactobacillus属菌が増殖してくる.母体から受け取った女性ホルモンの働きによって腟内にグリコーゲンが作られ,これを細菌が分解して酸を産生するために腟内は酸性となり,その選択性によってLactobacillus属菌のみが生残する.しかし,ホルモンが消費されてしまうとともに,腟内pHは上がりCorynebacterium属菌,Staphylococcus属菌,Micrococcus属菌,Escherichia coli,Candida属菌,嫌気性菌などが増殖してくる.その後,思春期に至り,女性ホルモンの分泌が開始されると再びLactobacillus属菌が最も多くなり,分泌液1ml当たり約108程度になる.月経閉止とともに菌叢は変動し,いろいろな菌が検出される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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