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増刊号 血液・尿以外の体液検査法 24 耳漏
D.微生物学的検査
著者: 渡辺正治1
所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.865 - P.868
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耳漏の細菌学的検査にとって最も大切なことは,その検体が適切に採取されたかどうかである.外耳道の内面を覆うものは上皮であり,ここにはアポクリン汗腺の変化した耳道腺があり,脂肪性の分泌物は剥離した上皮とともに耳垢を作り,多数の常在菌が存在する.このため検体採取時の外耳道の常在菌による汚染を考慮しなければならない.外耳道の常在菌は,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase-negative staphylococci;CNS),Corynebacterium,Micrococcus,Propionibacteriumが中心となり,時にStaphylococcus aureusがみられる.菌数もかなり多く,CNSでは純培養状に認められることがある.中耳は,耳管によって咽頭に通じているが,内耳とともに一般的に無菌である.
耳漏の細菌学的検査にとって最も大切なことは,その検体が適切に採取されたかどうかである.外耳道の内面を覆うものは上皮であり,ここにはアポクリン汗腺の変化した耳道腺があり,脂肪性の分泌物は剥離した上皮とともに耳垢を作り,多数の常在菌が存在する.このため検体採取時の外耳道の常在菌による汚染を考慮しなければならない.外耳道の常在菌は,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase-negative staphylococci;CNS),Corynebacterium,Micrococcus,Propionibacteriumが中心となり,時にStaphylococcus aureusがみられる.菌数もかなり多く,CNSでは純培養状に認められることがある.中耳は,耳管によって咽頭に通じているが,内耳とともに一般的に無菌である.
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