icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 資料

皮下結晶成分の解析法

著者: 今野稔1

所属機関: 1横浜市立大学医学部病院中央検査部

ページ範囲:P.887 - P.889

文献購入ページに移動
はじめに
 皮膚科領域においては,異物沈着症の一種として《石灰沈着》(calcinosis cutis, calcification,またはcalcium deposition)例があり,小児の皮膚筋炎に伴っている例が多い.これらは,「不溶性のカルシウム塩が皮膚ないし皮下組織に沈着巣を作っている場合」であり,皮下組織では塊状に,真皮では顆粒状に沈着するといわれている.石灰沈着が起こると硬くて白い丘疹ないしは結節として認められ,内容物は白色クリーム状か泥状を呈し,自然に排出されることもあると報告されている.
 上記のような石灰沈着例以外に,皮下に結晶が沈着する例があると思われるが,ここでは筆者らが経験した石灰沈着例の中で,ヒドロキシアパタイト〔Ca5(PO43OH・2H2O〕と解析された例を提示しながら,結晶成分の解析方法について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?