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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻6号

1990年05月発行

文献概要

増刊号 血液・尿以外の体液検査法 資料

唾液による体液の非侵襲的検査

著者: 奥田清1

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.896 - P.898

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はじめに
 急激にその進歩の度合いを加速しつつある臨床検査は,従来のメディカルケア中心の医学,医療の領域からヘルスケアの手段の一つとして,さらに需要を拡大しつつある.また一方,疾病構造の変遷に伴って増大しつつある慢性疾患患者の在宅ケア,自己管理のための無侵襲ないし軽侵襲検査の必要性も高まってきているといえよう.
 電気生理学的な生体検査は別として,体液,その他を材料とする検体検査の試料の採取には,通常,患者になんらかの侵襲を加えなければならない.たとえ非観血的であっても,胃液や胆汁など患者に苦痛を強いなければならないものもある.無観血,無痛で,リアルタイムの臨床情報がベッドサイドで得られる方法があれば,臨床検査の一つの理想的な型ということができる.非侵襲的に得られる体液としては尿,涙液,唾液,汗,乳汁,精液,腟分泌液,痰,鼻汁などを挙げることができ,剥離細胞診,微生物学的検査などに用いられている.しかし,臨床化学的検査に関しては,ほぼ常時採取可能で,分析に十分な量が得られる材料としては尿,唾液などが一般的に考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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