icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻7号

1990年06月発行

文献概要

検査ファイル

〈項目〉心室遅延電位

著者: 中居賢司1

所属機関: 1岩手医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.989 - P.991

文献購入ページに移動
〔1〕定義と歴史的背景
 心室遅延電位(late potential;LP)は高感度増幅,信号加算,フィルター処理により,QRS終末部から後方のST部分に数μV前後の,微小な持続する電位として記録される.LPの歴史的背景は1973年Boineauが梗塞犬でfragmented electrogram(FE)を記録,1978年Josephsonらは臨床例の心内膜電位記録においてFEを記録し,1981年Rozanski1),Simson2)が患者の体表から高感度増幅,信号加算によりLPを記録したことに始まる.
 体表面から記録されるLPは心内膜,あるいは心外膜マッピングから記録されるFEと関連し,心筋内の緩徐で不均一な興奮伝播により発生するといわれている.臨床的にLPの存在は心筋梗塞などのリエントリーに基づく持続性心室頻拍の発生成因および予後との関連について注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?