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文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻7号

1990年06月発行

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トピックス

erythroid differentiation factor(EDF)

著者: 小阪昌明1

所属機関: 1徳島大学医学部第一内科

ページ範囲:P.1014 - P.1015

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 erythroid differentiation factor(EDF)は,マウスフレンド白血病細胞に対する分化誘導物質として,phorbol esterで刺激されたヒト単球性白血病細胞株(THP-1)の培養液からEtoら(1987)によって分離された.TGF-βファミリーに属する成長因子の一つで,116個のアミノ酸から成る2本のポリペプチドで構成されたホモダイマー(βAβA)である.アミノ酸配列やcDNAの遺伝子構造をもとに,下垂体のFSH分泌を抑制するインヒビン(αβA)のβAサブユニットと相同の蛋白質であることが明らかにされた.インヒビンとは逆の働きをするFSH放出因子(アクチビンAともいう)はβAのホモダイマーであり,EDFとは同一の物質である.
 THP-1のmRNAからクローニングされたcDNAがハムスターCHO細胞遺伝子増幅系に組み込まれ,遺伝子組換えEDFがすでに大量生産されている.遺伝子解析によって,βA遺伝子は動物種を越えて強く保存され,ヒト,ウシ,ブタ,ラットでコドンの第三塩基にわずかな相違があるが,アミノ酸配列は完全に相同である.TGF-βと一次構造上35%の相同性があり,システインの位置もよく保存されていることから,TGFβと同様にEDFが内分泌代謝系,造血調節系に生物活性を示すことが明らかにされつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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