icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術18巻8号

1990年07月発行

文献概要

病気のはなし

尿路結石症

著者: 高崎悦司1

所属機関: 1獨協医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.1030 - P.1036

文献購入ページに移動
サマリー
 尿路結石症は泌尿器科領域で最も多い疾患の一つである.成因として,カルシウム(シュウ酸塩,リン酸塩)結石は高カルシウム尿,高シュウ酸尿,高尿酸血(尿),尿中阻止因子の低下,リン酸塩結石はアルカリ尿(尿路感染),尿酸結石は高尿酸血(尿)と強酸性尿,シスチン結石はシスチン尿症が主なものとして挙げられるが,いまだわかっていない点が多い.主な症状は,側腹部から背部にかけての仙痛または鈍痛と血尿であり,診断はX線撮影で,ほとんどの結石は証明される.再発がしばしば経験されるので,結石の化学的組成に基づいて,成因に対する検索も必要である.治療方法として,自然排出不可能な大きさの結石には体外衝撃波,経皮的あるいは経尿道的砕石が行われ,開創手術はごく限られた症例のみになされる.シスチン結石,尿酸結石,一部のリン酸塩結石には,薬物による溶解も試みられる.結石除去後は再発防止への考慮を忘れてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?